2014
09.19
Friday
「腹を抱えて涙する」の巻
author : 山崎彬




喉の綿毛が毛深すぎて声を出すのに邪魔なので、こそぎ抜きさらす薬を飲んで脱毛しましたその時に、かろうじて人間として支えてくれていた神経も抜けてしまったのかもしれません。寿司が乗せられた大きな器を持って、客席に乱入しお客の口にポイポイ寿司を放り込むアレは、狂気な乱舞のようでありました。普段はたしなむ程度の酒を、この日ばかりはと大量に煽った翌日は、頭が痛く胸は焼け、きんもんち悪かったのですが、煽っている最中は今までで一番楽しい酒だった気もします。

チャプチェの端っこカピカピやんけ。

悪い芝居新作本公演『スーパーふぃクション』大阪公演全9ステージ、無事におわりました。
ご用意したお席が多かったので、空席がチョロチョンチョンとある日もございましたが、来てくださったお客様の人数は今までの悪い芝居大阪公演で最高のものでした。ありがとう。何度も通ってくれた方もたくさん。ありがとう。

『マボロシ兄妹』が終わった直後は、こんなにすぐに新作が作れるわけがないと思っていた。
いいえ、作れるんですけど、作りたくないという方が正しいかもしれない。それがかえってよかったのか、こんなスケジュールで作る新作はせめて、窮屈の日々に光を射すべくして作りたいと思っていて、それが結果的にみなさんにとっての光になった気もする。あ、『スーパーふぃクション』はいつか再演します。

ちょっとしたことで大いに傷つくのだけれども、やっぱり一緒にいたいからどーでもよかったことにする、そういう関係の仲間がまた増えました。


ある出演者の家族が観に来てくださって「部活やパートで小さいことブチブチ言うてくる人たちに対して今までイライラしてきたけど『スーパーふぃクション』観てそいつらのことをカワイイやつやなと思えるようになった」という感想をくれていて、まさにスーパーふぃクション、この世は虚業の娯楽だらけな世界に行ってくださっていて、泣いた。

観る方もやる方も、終わると腑抜けになっちまう演劇が好きです。その腑抜け期間の渇望が、また新しい作品を連れてきてくれる。出演者から「素敵な役をありがとう」なんて言われることがある。お客さんから「素敵な時間をありがとう」なんて言われることがある。そういわれたときには「お前が素敵にしたんやんけ」とカッコつけるつもりもなく当たり前のことをいう。結果かっこよくなってるなら儲けもんやけど、まあ、ほんまにそうでして、出演者がいなければお客さんがいなければ、役も作品も素敵にならなかったのは事実で、だからこれから関わる関わっていく人たちは素敵でい続けてほしい。僕も頑張る。

情熱や激情ってのは、外に表れなくてもいい時がありますね。
秘めておきたい想いもありますね。
言葉にしないできない気持ちを持って、見つめあおうと叫ぼうか。
そこで燃える炎を信じようか。

また傑作を作ってしまった。
たくさんの目撃証言や体験吐露を参考に、来るか来ないかをお決め下さい。
まだ観れる可能性があるなんて奇跡やで。たまには跳ねて踊ろうや。

メガネとゆるいパーマかけて薄緑のカーディガン羽織ってみんなで微笑んでるみたいなもん、ほんまはもうええやろ?
カルパッチョで腹いっぱいならんやろ?家帰って一人でペヤング食べてんの知ってるで。

東京公演はひと月後!会いたい!


悪い芝居vol.16『スーパーふぃクション』
【作・演出】山崎彬
【音楽・演奏】岡田太郎

【出演】
池川貴清 植田順平 北岸淳生 畑中華香 山崎彬 渡邊りょう (以上、悪い芝居)
田中良子(ブルーシャトル) 大塚宣幸(大阪バンガー帝国) Sun!!
辻井彰太(トム・プロジェクト) 中西柚貴 吉原小百合

【会場・日程】
●赤坂RED THEATER

2014年10月21日(水)〜26日(日)
21日(火)19:00
22日(水)19:00
23日(木)19:00
24日(金)19:00
25日(土)13:00/18:00
26日(日)15:00

※開演45分前より受付開始、
開場は開演の30分前。

| これ書いた直後、就寝 | 18:26 | comments(0) | - | pookmark |
2014
08.02
Saturday
「また逢うためにさようなら」の巻
author : 山崎彬




扇風機は首を横に振って網の向こうの羽根はぐるぐるぐると回っており優しい穏やかな風が肌に届くこんな夜に、頭の中にあるといわれる脳みそで感じ考え感じ考えしていることは間違いないのに、胸の奥の低反発枕がグググとうどん粉を引き伸ばす棒みたいなんで押されている感じは確かにあるものだから、脳みそと心の位置は頭と胸にあるっぽいんですけれど、その時に想い馳せるのは、耳たぶや左手の中指や膝や脛や首の後ろや足の甲は僕のなんなんだろうかということ、そうしてまた、脳みそは踊り胸の奥の低反発枕はそのステップで沈みます。

こんな夜なので何もかもがよくわかりませんが、
そんな中、はっきりと言えることがひとつだけあります。

青山円形劇場で上演しました悪い芝居プロデュース アンダーヘアvol.1『マボロシ兄妹』おわりました。

そして伝えたいこともはっきりとしています。

出演者、スタッフのみなさん、すべての関係者、そしてご来場のみなさん、本当にありがとうございました。

稽古は正直どんな風に出来上がっていったのか、もう、全然覚えてなくて、これはそれっぽく言ってるヤツじゃあなくてほんっとに覚えてなくて、どんな稽古をしたかとかどんな進行状況だったとかは覚えているのだけど、どうやってあそこに行き着いたのか、それを覚えてないという感じです。台本書いていた時もそう。劇場に入ってからもそう。だから出来上がる悦びだとかやっている楽しさだとか終わるんだなぁという寂しさだとか、そういうことも感じることはなかったんです。

文字にするとなんだか哀しい感じというか、不感症の兆候があるというか、そういうこととしても読めるのですけれど、決してそうではなくて、もう、『マボロシ兄妹』をあそこに存在させるために夢中でいられたということだったんだなと、終わって10日くらいたってわかってきました。おわりましたってことにはあんまり触れてなかったのは、こうして言葉にするのに10日くらい必要だったんだなと思います。

あれはとても幸福なことだったんだなと、今思う。

幸福なことというのはその渦中にいるときはやはりどうも感じにくいものなんですね。それは「壊れてゆくこと」や「崩れてゆくこと」、「腐っていっていること」もその渦中にいるときは感じにくいのと同じようなことだと。ふと「幸福だねぇ」とか「仲いいねぇ」とかいう言葉が感じて数秒後に遅れて出てくるときのほうが本当に幸福なんだなとおもうんです。ですから今、幸福です。

動員の数ですとかプロデュースの面だとかはチラチラと視界に入ってきたときは現実に引き戻されましたけれど、そんなこと考えなくていいくらいの稽古場や打ち合わせなどの俳優やスタッフの皆さんの提案、体現に夢中になっていました。

今、思い出すと泣けるくらいに演劇をつくった日々だった。
「形にした」のではなく出来上がってゆくものを「形と呼べた」、そういう時こそ信じていいと僕は思います。

言葉を探した末に出てきた感想の文章よりも、観劇中の汗や、お尻の痛さ、帰り道の足取り、あの日食べた晩御飯の味を感じた舌だとかの方が圧倒的に強くって、だから、このブログの文章も、もう脆弱なもんなので、この辺までにしておく。

力十分な僕の好きな俳優さんスタッフさんと作らせてもらった『マボロシ兄妹』の直後に中高生と作った『小劇場!中高生!大往生!2』にも同じモノを感じました。

やはり。

中途半端な経験とか、何年やってきましたとか、プライドとか、そういうことでなく、演劇をそこにちゃんと絞るかどうかが見たい。綺麗な雑巾など使わなくなったタオルを縫い合わせたものでしかない。タオルでさえもない、名もなきもの。無意味。

京都に戻って『スーパーふぃクション』の種を作る稽古が始まってる。
おもしろいんじゃないかという劇ができそうです。半年ぶりの関西での公演。世界初演。
大阪公演はチケット発売中です。

『春よ行くな』『グッド・バイ』『ははははは』『恋のマジックアワー〜僕のママは食人鬼〜』、そんで『マボロシ兄妹』。
色んな演劇のアレコレをこの1年作ってきましたが、そのひとつの集大成になりそうです。

王道でもあり超邪道。虚業が実業になるような時間。
常軌を逸した舞台美術と光と音楽と衣裳。
そんで、最近ハマっている感覚だけでつなげてゆく本。
筋の通らないように見えた王道の物語。
地球上で誰からも理解されない男と女は互いを理解しあうのか。
そういう劇です。

「また逢うためにさようなら」とよく言ったものですが、前回公演だけでなくこれまでのすべての公演において、
もう二度と逢えない人が劇場には来ていたわけで、それは僕が死ぬときにどなただったのか判明するのですが、
「スーパーふぃクション」では一回すべてをリセットしたいです。
今まで出逢ったすべての人たちと劇場で逢いたいと思っています。
どうしたらいいんだろう。とは言え、

お待たせしました。何回でも観てほしいです。


悪い芝居vol.16『スーパーふぃクション』
【作・演出】山崎彬
【音楽・演奏】岡田太郎
【出演】
池川貴清 植田順平 北岸淳生 畑中華香 山崎彬 渡邊りょう
(以上、悪い芝居)
大塚宣幸(大阪バンガー帝国) 田中良子(ブルーシャトル) Sun!!
辻井彰太(トム・プロジェクト) 中西柚貴 吉原小百合

■大阪公演 
携帯からの予約はこちらをクリック!

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【会場】HEP HALL http://www.hephall.com
【日程】2014年9月11日(木)〜16日(火)
11日(木)19:00
12日(金)19:00
13日(土)13:30/18:30
14日(日)13:30/18:30
15日(月・祝)13:30/18:30
16日(火)15:00
※開演45分前より受付開始、開場は開演の30分前

 

| これ書いた直後、就寝 | 04:55 | comments(0) | - | pookmark |
2014
07.16
Wednesday
「言うてる間におわります。」の巻
author : 山崎彬

(出演者の渡邊りょうくん)

小屋入り前日に、いろいろとマボロシ兄妹の文章を書かなあかんくって、その下書きにと、ブログを書きます。

マボロシ兄妹は演劇そのものの物語だったりする。
といっても、劇中劇だとか楽屋モノだとかメタ演劇だったりとか、そういうことは一切なく、演劇そのものが物語であるかのような、そんな本だ。

僕はもともと俳優しかやっていなくて、気づいたら自分が出たい舞台の本を書いて演出していたような人間で、だから役を書くときも、とってもとっても俳優としての生理を優先して書いて演出していて、だからこそまだまだど素人だ。

今回はその俳優の生理を「物語」の中で通す役を書くでなく、「役」の中で通す物語を書きたいと思って書いた。結果、書けたものは紛れもなく物語であり、紛れもなく演劇になった。ある意味で物語の中で役の生理は通っていない。だけど、役の中では生理が通っていて、それがそのまま物語となった、そんな感じ。

俳優でしかできない本。
とにかく俳優を集めなければ、こんなことできないと思った。
演劇をやってる人じゃあなく、俳優を集めなければ、そう思った。
そこで集まってくれたのが今回の出演者だ。
だれがどういいとかはない。それぞれがそれぞれできちんと俳優だった。
ただ作品だけに没入できた。ちゃんと苦しむことができた。苦しませもした。
今日は最終稽古の最終通しだった。
想像力を膨らませて、色々な道を辿って、頭も体も混乱しながら、マボロシ兄妹のための筋力をつけてゆくような稽古の日々の集大成。圧倒的に役が自分じゃあ追いきれないかもしれない生理を持っていて、そこを埋めるのは俳優の想像力だけだった。

僕らは、空振りで殴られても、痛みを本当に感じることのできるバカたちだ。
僕らは、空っぽのコップに入った酒を飲んで酔っぱらえるバカたちだ。
僕らは、この世に存在しないはずの人物を存在させられるバカたちだ。

その確かにあった「痛み」や「酒」や「人物」たちは、この世にはない。ないけれども確かにいた。あった。存在した。

では彼らはどこへ行くのか。そんな物語。

ただひたすらに圧倒的にバカやってくれた出演者のみなさんに感謝してる。
僕らのバカは、お客さんが座って観てくれて初めて存在できる。
まだわからない。どうなるのかなんて。とっても面白いですなんてわからない。
観てもらって初めて「面白い」が存在できる。
観てもらって初めて彼らが「俳優」として存在できる。
いやあ今回はスタッフのみなさんも「俳優」だった。思い出した。
良いスタッフは「俳優」なのだった。ビビッた。

観客席に座ることを許されたみなさん。
頼むから来てください。出産に立ち会ってください。
期待してる。

難しく書いてるけれど、サザエさんみたいな劇です。
永遠に年をとらず、今日も明日もいい天気。
彼らはそのことに気づかず、お日様と一緒にみんな笑ってる。
そして、サザエさんみたいに万年残るべき作品だと思います。


(出演者の大塚宣幸くん)


(↑バナークリックで特設サイトへ)

Aoyama First Act #11
悪い芝居プロデュース
アンダーヘア vol.1
『マボロシ兄妹』

【作・演出】山崎彬
【音楽】岡田太郎

【会場】青山円形劇場 http://www.aoyama.org
(※東京公演のみ)

【日程】2014年7月18日(金)〜21日(月・祝)
18日(金) 19:00
19日(土) 13:00/19:00
20日(日) 13:00/19:00
21日(月・祝) 15:00
※開演45分前より受付開始、開場は開演の30分前。

携帯からの予約はこちらをクリック!

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ハウススタジオ ファッション通販

【出演】
渡邊安理 (演劇集団 キャラメルボックス)
渡邊りょう
岡田あがさ
山崎彬
大塚宣幸 (大阪バンガー帝国)
池川貴清
村上誠基
橋爪未萠里 (劇団赤鬼)
片桐はづき
北川大輔 (カムヰヤッセン)
北岸淳生
植田順平
大石憲 (monophonic orchestra)
徳橋みのり (ろりえ)
塚越健一 (DULL-COLORED POP)

【料金】
前売 4000円
U25 3000円(要証明)
高校生 2000円(要学生証提示) 
※全席指定、当日各500円増
| これ書いた直後、就寝 | 00:19 | comments(0) | - | pookmark |
2014
07.13
Sunday
「ゲン、幻、現、言、眩、呟、限、源」の巻
author : 山崎彬

「マボロシ兄妹」よかったら観て頂きたいのです。
頭をグニャグニャにして作っています。頭をグニャグニャになりにきてもらえたらいいなと思っています。

一気に観たい俳優さん15名に集まってもらいました。
一人ずつの紹介は舞台の上でできたらいいなと思っています。
無策の策、それができる人たちをみてもらいたいです。

役たちがなんとか生きようとする演劇なんですが、みんな、役で生きようとしてくれていて、それがまだ完全生きられてないところも含めて役に耳を向けていてくれて、一瞬も役じゃなくいる瞬間が許されない舞台の中、ずっと役でいることをやってくれています。この調子だと、本番生きた皆さんが観に来てくれたら、本当に素敵な時間になるなあと思ってます。

こうやってああやってドンみたいな作品でいられなくなってきました。
とても素敵な瞬間なんです。僕はこのライブという部分がどうにか物語にならないかと思っていつも書いてます。
日々生きていて、この先どうなるのか、これでいいのか、これでいいんだ、いや本当にいいのか、みたいなことを思うわけですが、それがきちんとそのまま乗っかった作品になってきました。

なんとかして多くの人に見てもらいたいです。

演劇ではなく、奇跡を作る。だから険しい。

「ナンダコレハ!?」「ドウイウコトダ!?」「オマエハダレダ!?」

そんな時間もたまにはいいもんだ。

朝焼けの中、15人の俳優が円形舞台に立っています。
太陽は皆さんです。

(↑バナークリックで特設サイトへ)

Aoyama First Act #11
悪い芝居プロデュース
アンダーヘア vol.1
『マボロシ兄妹』

【作・演出】山崎彬
【音楽】岡田太郎

【会場】青山円形劇場 http://www.aoyama.org
(※東京公演のみ)

【日程】2014年7月18日(金)〜21日(月・祝)
18日(金) 19:00
19日(土) 13:00/19:00
20日(日) 13:00/19:00
21日(月・祝) 15:00
※開演45分前より受付開始、開場は開演の30分前。

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【出演】
渡邊安理 (演劇集団 キャラメルボックス)
渡邊りょう
岡田あがさ
山崎彬
大塚宣幸 (大阪バンガー帝国)
池川貴清
村上誠基
橋爪未萠里 (劇団赤鬼)
片桐はづき
北川大輔 (カムヰヤッセン)
北岸淳生
植田順平
大石憲 (monophonic orchestra)
徳橋みのり (ろりえ)
塚越健一 (DULL-COLORED POP)

【料金】
前売 4000円
U25 3000円(要証明)
高校生 2000円(要学生証提示) 
※全席指定、当日各500円増
| これ書いた直後、就寝 | 10:28 | comments(0) | - | pookmark |
2014
07.09
Wednesday
「私のお墓の前で私が泣く」の巻
author : 山崎彬
自分の寝息の大きさで目が覚めた。


目が覚めた瞬間に吐かれた寝息を聞いた。

2回聞いた。ハアーハアーと言うとった。

2回聞いて覚醒して起きとるときの呼吸に戻った。


寝とると起きとるのあいだの呼吸に「マボロシ兄妹」を感じた。


今日は朝から稽古がある。けど大丈夫だ。僕は今、うれしいから。


稽古は順調だよ。ほんとうに順調だ。

順調つうのは余裕余裕つう順調じゃない。

順調におそろしさを感じられるようになってきたという順調さだ。

この森が果てしなく険しく深い森だということを知った。
霧は濃く、足元は悪く、方向も定まらず、猛獣もいる。
顔の汚い巨人もいるし、食べたら狂う甘そうな実も見つけた。
おそろしい。おそろしいです。
このおそろしさに気づいてなかったかと思うと、さらにおそろしい。
予想はしていたけれど。
だがしかし、この森の向こうに楽園があることも知った。
そして怪我をしていないことも幸いだ。
仲間もいる。
みな、この森を共に歩けているか、そのことには注意したい。
楽園の予感を感じられているかどうかも気にしていたい。
ただ、何があろうと、この森を抜けることは宿命だし、抜けられなければのたれ死ぬしかない。


ほんとうに想像力を信じなければいけないな。
劇の中への想像力。人は何に刺激されるのかということへの想像力。
自分だけが迷惑かけてんじゃねえか、なんてナルシズムから抜け出す想像力。
他人がいないと存在できないように、自分も他人を存在させるための想像力。

自分の傷なんか見てる暇ないくらいの想像力。
役の声に、この世界への声に耳を傾けて「ちがうよ」と役に世界に言われる覚悟。

もう自分じゃ判断できない。英雄なんかいない。
俺は俺の目なんか信じられない。まったく信じられない。
信じられないからこそ、役に世界に判断してもらう。
そのために役を世界を理解しなくちゃならない。


「マボロシ兄妹」つうのはねぇ、みんな聞いてくれよ。
万年残る本になればいいと思う。死後にも上演されたい。
何百年も残っとる戯曲を書いた先輩らも、残るつもりでやってなかったと思う。
ただ無邪気に、娯楽探求の極みみたいに、魔法を作ろうとしてたはずやと思う。
俺は残っとる先輩らを見とるから不利や。どうしても色々考えちゃう。
僕、本気で万年残る本になればいいと思ってるし、そのためにもうるさい声は聞かず、役と世界の声を聞きたい。

稽古なんてものは、演出家のOKをもらう時間でないということがやはりわかった。
役の、世界の声を正確に見る聞き取る味わうための、目洗い耳掃除歯磨きでしかあらへん。

役の苦悩が果てしなく、役の底抜け具合がはんぱない。
だから「やる」ではなく「なる」しか道はない。
そういう俳優を見たことがある。あるぞ俺は。
夢はでかい。絶望がある。だからそこには希望しかない。

純演劇への道は果てしないけれど、俺らなら行ける気がする。

ご期待ください。
| これ書いた直後、就寝 | 05:17 | comments(0) | - | pookmark |
2014
06.15
Sunday
「幼なじみみたいね」の巻
author : 山崎彬
一人芝居『水分』を終え、京都に帰ってきてひと月半。3つの舞台に関わり、1つの映画に出て、1つのワークショップをやって、1つのオーディションをやり、2つの脚本を書いて、で、今夜また東京に向かう。

ワールドカップ日本戦あとの渋谷観光がしたいという以外は、ほぼあっちでも演劇三昧になると思うので、ここのところの日々を書いとこうと思う。

いっこいっこのことは下の写真を見てもらったらよいとしまして、とにかく不思議なひと月だった。自分がナニモノなのかわからなくなるような。

高校卒業時に一度死んだ僕はあれから13年生きて、実は2年くらい前にふたたび死んでたんじゃないか。4年前のワールドカップの自分とは明らかに違う感じがするし、あの頃の自分はいなくなったとはよく思っていたが、いやあ最近は、一日一日死んでは生まれ変わりして生きてる気さえする。

今年、『グッド・バイ』『マボロシ兄妹』『スーパーふぃクション』『(Patch本公演)』の4本の長編を書くわけで、それぞれでエグくて深い爪痕を遺してやるぞという目論見があって、その全部の傷をちがうものにしてやりたいとたくらんでいるので、少なくとも生え変わる爪はちがう爪じゃないといけない。ちがう爪を生やすのが困難やから、生まれ変わる能力がそなわったのか、そもそもここのところ、本の書き方も変わってきている。

役者をやらせてもらってきていて、そのお陰でしょうか。これまでは自分で書いていたのを、本ごとにちがう人物になって書いている感覚がある。blogを書く自分もまた、ちがう自分だ。

ブレイクしたい。売れるとかそういう意味じゃなく。ブレイクしたいです。

わたしがなぜカラオケが嫌いかというと、何にむけて唄うのかがイマイチわからないからなのです。セリフあわせなどを口実に二人きりになろうとする人くらいに嫌いです。

夜と昼なら夜が好き。なんでか最近、早朝が一番好き。

考えすぎることは、よくないことですね。

先に傷ついた方が有利というなら、もう我々は死ぬまで不利なまま生きていくのでしょう。

死ぬまで、生きてゆく。

死ぬまで、生きてゆくのだね。

それだけはわかっているんだっ!

誰でも始められる部分では平等やけど、おもろいかどうかは平等じゃないから。

谷くんとなにかやると、こっからまたがんばるぞって気になるのはなんでやろうか。

夜行バスが走り出した。
城崎に行くときに京都で乗ったタクシーの運転手さんも今までの人生でナンバーワン失礼な方だったが、このバスの添乗員さんも、またナンバーワンかもしれない。命預けた人がこういうとき僕はとても怖くなる。演劇も命預かった気でやっているから、こんな風に怖がらせたくない。

泣かすにしても笑わすにしても、満タンのものがよいなあ。


しれっと挟まれてるけど、マボロシ兄妹のチラシ、超キモいね。

夜行バスは夜に行くから夜行バスなんだよ。目が覚めたら東京の自分だ。

もうすぐだ。待っててくれよ。うお。うお。うおお。





リーディング『また愛か』本番前



ダンスファンファーレディレクターみっくんが景気づけに食った日本一辛い担々麺



合間に帰った実家


共に城崎で滞在執筆した盟友・谷賢一


『恋のマジック・アワー』会場の青龍洞


『恋のマジック・アワー〜僕のママは食人鬼〜』本番前



帰る前に食べたエビフライカレー



マボロシ兄妹で待つ!チケット予約は即クリック!

| これ書いた直後、就寝 | 22:07 | comments(0) | - | pookmark |
2014
05.23
Friday
「まさかまたか」の巻
author : 山崎彬

Dance Fanfare kyoto02で発表する演劇ともダンスとも言えない作品その全貌が、すこ−しずつ見えてきた。

僕の書き下ろしの戯曲を元にダンサーの黒子沙菜恵さんと山本和馬くんとで作ってる。普段と同じように、戯曲を元にした作品づくりなのだけど、言葉とト書きに対するアプローチが俳優たちと作るそれと違って、稽古場で僕のからだに吹く風がとにかく不思議だ。演劇とダンスをつなぐものを色々試してる。

最近とても、『揺らぐこと』に興味があって、それがとても楽しい。
こうしてまた僕は日常の言葉を失っていって、それはとても寂しい。

昨日、2年前まで演出を担当していたビギナーズユニットの第一回目の講座を受け持ってきたのだけど、それは「演劇体験談を語る」というもので、とにかく自分の身から出る言葉を信じて話してきた。結局、自分の語れる言葉なんて「好きなんです」「いいんです」くらいしかないことを再確認して絶望した。聞いてくれた受講生のみんなが目を耳を向けてくれていたことに救われた。

感覚とか感触は確かにあるのに、あまり僕はそれを言葉にできない。でもこういう仕事をしているし、できるように思われていたりして、できないものをしたものだと受け取られてしまうけれども、できていたらこういう仕事ではなく、もっと人と話す仕事についていただろうと思う。

僕は劇の中の言葉を生み出すことしかできないんだなぁと思ったし、日常で生み出せなかった言葉を供養するように劇の中に言葉をたむけているのかもしれないな、なんて思った。ゲロのような言葉は大嫌いだけど、ゲロを吐くように劇の中に言葉を吐きたい。吐くのはあくまでゲロではなく言葉でありたい。それは息でもなく、ゲロのように。日常で消化されなかったものをモドシたいのです。モドシたいのです。


5月25日上演、演劇計画の戯曲リーディングに出演してくれる三人。大塚宣幸くん、池川貴清くん、橋爪未萠里さん。その稽古もしている。

『また愛か』というタイトルのその本は、共感されえないものを確かな実感として持ってしまった人たちの話にしようと思っている。言葉の内容そのものは誰からも理解されない。けれども、それを語る彼らの血の流れは、とても生き生きとしていて、そこの共感で勝負したい。「グッとこない」というグッとを、いかにもらってもらえるかが勝負な気がする。俳優が舞台上で演じた方が、椅子に座って目で読むことの10000000000000倍以上それ以上に面白い本を書きたい。
人を○すことを軸においた物語。愛す、生かす、殺す、励ます、腐す、などなど。 そういった人たちが出てくるニ幕の悲劇。 本公演は来年、秋ごろ上演予定。

考えてもいないことが、書いているうちに零れ落ちて白い紙に染みこんでゆく。のこる部分は、しっかりと滲みきっている。

そんな風な状態になることがあって、本編全部をそれで書きたい。

時間がない。

頭がいたい。あーいたい。あいたい。

マボロシ兄妹特設サイト、できました。
| これ書いた直後、就寝 | 05:42 | comments(0) | - | pookmark |
2014
05.15
Thursday
「ポップにさせてくれるね」の巻
author : 山崎彬

昼はDance Fanfare kyoto02の稽古。

ダンサーの黒子沙菜恵さんと山本和馬くんと、戯曲ありで演劇のつくりかたで、演劇ともダンスともいえる作品を創作しているんだよ。稽古を今日までに3回やったんだ。僕が演劇のワークショップとか稽古のはじめの方にやるような、演劇作品のタネを探す稽古。なんだけど、そこで二人が出してくるものが全然俳優さんとやるときのとちがって、ずっとニヤニヤしっぱなし。どっちがいいとかわるいとかではなく、ほんとうに全然違うっくてさ、もう、それもおもしろくって、またひとつ不思議な感覚を味わっている。

直感は本当にどこにでも、びゅーんって飛んでける。墜落もするけれど、落ちた草原で寝っ転がりながら、今のはどーだったこーだったって話して、もっかい空に昇るみたいな感じ。そんな稽古。まだ全貌は見えないけれどなんとかなりそう。タイトルは『ははははは』にしようと思ってる。たか笑いみたいな名前。とても直感を信じてつくりたい。ドキドキさせてしまっているけれど。上演時間は60分くらいかなぁ。

夜は『マボロシ兄妹』のプレ稽古をメンバーと。

二つの現場が同時にその日にってのはたまにあるけれど、僕は刺激的で好き。現場はウソつかないから。

厄介なのは夜中。今は『ははははは(仮)』『マボロシ兄妹』のほかに、『また愛か』と『スーパーふぃクション』と劇団Patch本公演と豊岡の本があって、たくさんあるのは全然大丈夫なのだけど、机に向かってると同じ塊の同じ所を無意識に(クセかもしれない)削ってしまうから、その削りカスが似てくるのが腹が立つし、自分の底を知るし、何より机の上も頭の中も散らかってしまうのがストレス。いつもの「書ける気がしません」という恐怖の種類もなんだかちがうし。そういうときはポップにさせてくれる人と話したりモノを見たり読んだり聴いたりしてなんとかする。助けられてる。お守りみたいな人やモノたち。

戯曲の書き方、みたいな本はいまだにぺらっとめくっちゃうなぁ。何か参考にするとかではなく、これもまたお守りみたいな。その本には「いい戯曲を書くコツは、素晴らしい経験をたくさんすることやきらめくセンスを磨くことでもなく、牋愡劼箸尻をくっつけてはなさないこと″だ」みたいなことが書いてあって、本当にそうだと思います、と脳天を床にめりこますくらい頭を下げさせてくれるので好き。

『マボロシ兄妹』プレ稽古の方は、なんかこういうことやりたいんやけど面白くなるかなぁ、といったようなことをやらさせてもらっている。なるんじゃないかなぁと思っている。

僕、妹いないんですけど、妹ってどんな感じなのかな。身の回りの妹情報ってエロ関係以外あんまり見当たらないからなぁ。実際そういうドキドキする想像もしてしまうけど、いとことか友達の兄妹は「妹ウザイ」みたいなこと言ってた記憶しかないよ。今はもちろん仲いいですけど。

兄妹ってなんだろね。ドラえもんドラミちゃん兄妹か。ハクション大魔王もあれ兄妹か。タルるートくんの座剣邪寧蔵・寧代兄妹も印象深いな。でもやっぱり『聖者の行進』の廉と鈴の兄妹が一番好きですね。

でもま、ドキドキしたいしさせたいので、そういうのつくれたら一番いいな。たのしみ。

こういう写真を撮るのが最近すき。稽古終わり。劇団っぽいでしょう。
| これ書いた直後、就寝 | 04:55 | comments(0) | - | pookmark |
2014
05.13
Tuesday
「誰も知らない星が消えても☆その星は確かにあったと叫ぶ」の巻
author : 山崎彬
一人芝居の『水分』がおわって、ヨーロッパ企画presents ハイタウンでの団長演出『スクールカースト低いコメディ』がおわってNHK FMシアター『春はこない』の放送がおわった。

そんで、劇団Patchワークショップやら、Dance Fanfare02『(タイトル未定)』の創作やら、『マボロシ兄妹』の執筆やらプレ稽古の日々。

先には、劇作家協会豊岡大会での谷賢一との共作『恋のマジックアワー〜私のママは食人鬼〜(仮)』や、本公演『スーパーふぃクション』が待ち受ける。その他にもいくつか。

ざーっと現場報告と予定をまず書いてスッキリしたよ。

そそられるものにはすべて近づいてみたいと思い近づくも、大体がいつも似たようなおんなじようなもの。限界は限界でそれでよくて、ならば似たような限界、そのシリアスの行き着く先まではいったん行った気がするので、ぐりんと舵を切ってみたいお年頃。何が作れるんやろうか。何が作れるんやろうか。いっぱい企んで、いっぱい話して、ちょっとでも多くの時間をいっぱい過ごして、ぼくらにしかつくられへんものをつくってみたいなあ。外国語どおしで話しているみたいに感じるときは、きっと向こうもそう思ってるんやろうなあ。

さいきん、とうきょうでもきょうとでもおおさかでも、たくさんのげきだんがおやすみしたり、おわったりする。しらないだけで、もっとたくさん、ひっそりとまくをとざしたチームもあるのだろう。いままでおつかれさま、と、もうわるぐちもいえないじゃないかてめぇこのやろう、をささげます。

帯とか、圏とか、そういうのを作って、日本に覆いかぶさりたいな。

昔々、

「あれは牛やな」
「あれは水瓶や」
「ほな、あれはサソリや」
「あれは無理あるかもしれへんけど、乙女や」

と、星をずっと見ていたバカが、星と星を線でつないで言い出した。僕らもそうなりたい。星になりたい。そういう面白さあると思う。今は、良く輝く星や、珍しい星、かっこいい星、昔から知ってる星、その星ひとつひとつが見られてるような気がするけれども、夜空は宇宙はひーろくて、宇宙そのものの魅力を知ってもらいたい。

星くらい輝いてないから、みんなが星座に気がつかないのだったら、もっともっと輝こう。
空を見上げる時間がないのなら、涙の水たまりに反射するくらいに、もっともっと輝こう。

メンバーだけでやった『マボロシ兄妹』プレ稽古初日に、若手劇団みたいな写真を撮ったよ☆
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夜中、『雨天中止ナイン』を見て、いっぱい笑って、いっぱい涙が出た。最高だった。
 
 
| これ書いた直後、就寝 | 05:28 | comments(0) | - | pookmark |
2014
01.22
Wednesday
「漂白されたくないから」の巻
author : 山崎彬

「あなたはわたしを裏切った」と、わたしがあなたに思った瞬間、わたしはあなたを裏切っているのだ。

まわりの人、人、人らが、みんな性格悪く感じるという時、あなたの性格は悪くなっているかもしれない。

キラキラするようなものを作りたくて、そのためには、その反対側にある邪悪の澱みに目を凝らさなきゃならないと、闘ってきた怪物の強さや恐ろしさをいくら伝えても「調子に乗っているやつの遠吠え」として響く村に、未来はあるのかと聞かれたら、今はまだ、「ある!!!」と叫びたい。

ドブの輝きの美しさに気がつきたくて、側溝ばかり見ながら、こうべを垂れて道を行く。

夢にまで見た世界。夢とは違う。ここは現実ですから当たり前のことだ。僕たちは、現実を夢にかえる、いいや、現実の中に落ちている夢のようなものに光を当てる。それがやりたいことだ。

劇場にはなにもなくて、あるのはあなたの歴史と時間。そこをほんの少しだけ揺らしたい。期待はいつも、少し大きな仕事としてやってくる。たおす。たおすぞ。

漂白されていく時代に生きて、その漂白を拒み続ける。

血だまりの中、右手にナイフ、荒い息。その血は僕のものではない。死体は見つからない。僕は殺人などしていない。ナイフで誰も刺していない。それでも血だまりの中、右手にナイフ、荒い息。死体はなくても、血だまりの中にいるということを忘れない。

この椅子に座るということは、誰かが座れないということ。

他人が見た風景を見ることが叶えば、きっとその人の感情や言葉や行動はついてくる。思考の流れ。その人の感情や言葉や行動を“する”ことは、演技じゃない。その人が見た風景に対してその人の距離感覚に“なる”ことが、演技なのだと思う。

日々、演じていくべき。日々、演じていくべき。


文字はイメージの死骸です。神さま、信用しないでください。


うお。

| これ書いた直後、就寝 | 23:43 | comments(0) | - | pookmark |