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2017
06.20
Tuesday
「ご報告」
author : 山崎彬

先日、モノモース『エンドルフィン』が全日程終了しました。ご来場いただいたお客様、関わってくれた皆様、本当にありがとうございました。

 

今回の公演において、伝えたいことがあります。

 

具体的に書きますと、本作のストーリーが、『D-ブリッジ・テープ』という小説の盗作ではないのかという指摘があり、そのことについてです。どこまで書けば、どのように書けば、伝えたいことが伝わるのかはわからないですが、素直に自分の言葉で書きたいと思います。

 

まず、経緯からご説明します。

 

今回、モノモースから依頼されて、脚本と演出を担当することになりました。

 

作品を考えるうえで最初に思い描いたのは、「この三人の役者が揃った、その予想を裏切るような、重心の低い三人芝居にしたい」ということと、「演劇表現をこれでもかと詰め込んで、演劇の醍醐味を存分に味わえるような、想像力をたくさん刺激する作品にしたい」ということでした。

 

そんな演出的な思惑を含むことのできるストーリーを考える中で、モチーフのひとつとして小説『D-ブリッジ・テープ』がありました。ただ、特定の小説を舞台化するのではなく、あくまでモチーフのひとつという認識だったので、その時点では特に原作使用許可はいらないと判断しました。また、そういう認識のため、モノモース側と劇作の時点で特に協議することはありませんでした。

 

 そして東京公演を終え、大阪公演直前の全員が大阪入りしたころに、「盗作ではないのか」「上演中止にすべきではないのか」という趣旨のメールを、東京公演を観た方から匿名でいただきました。

 

上記のような自分としての認識をモノモースにも伝えた上で、団体と協議しました。その協議でも、原作者様からの抗議ではないものの、使用の許可を取るべきかどうかという話い合いもしました。結果、団体としても、このまま上演は続けるという判断となりました。

 

 その後、SNS上に同じ意見が出ました。やがて拡散し、困惑や信頼を失ったというコメントなどがお客様の中でも見られるようになりました。このままではいけないという判断で、千穐楽の開演前に団体と連名でコメントを出すこととなりました。結果的に、そのコメントで、さらに困惑を招いてしまった部分もあったと、僕個人としては思っています。

 

 以上が、ここまでの、経緯となります。

 

 自分としては、「書けなかったから拝借した」とか「自分の考えたものとして発表して評価を得たい」とか、今回もこれまでも、そういう感覚で演劇を作ったことは一切ありません。自分が面白いと思うもの、作りたいと思うものを劇場に持っていって、観てもらいたいという一心でしか作っていませんでした。その時々の自分の感覚に従って作るので、作風も毎回違うとよく言われます。今作についても、観にきてくれた人との会話の中で、『D-ブリッジ・テープ』の話もしていました。また元ネタ的な話は、普段はあまりしないのですが、全日程終了後にブログかツイッターに書きたいと思っていました。

 

自分自身は、盗作しているつもりも、真実を隠すつもりも、オリジナルとして我が物顔で語っていたつもりも全くありませんでした。あくまで新作の演劇を作ったつもりでいました。しかし、こういう状況になった以上、その自分の認識がとにかく甘かったと思っています。自分がどう思っていようが、意図してない形であろうが、大好きな人たちを哀しませたりガッカリさせてしまい、とても悔しく、心が痛く、そして反省しています。演劇のことを信頼してくださっていたからこそ、不快に思わせたと思っています。すべては自分の認識の甘さが招いた結果で、とても申し訳なく思っています。

そして、『D-ブリッジ・テープ』の著者である沙藤一樹先生と、『D-ブリッジ・テープ』のファンの皆さまに対しても、この場をお借りしてお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。

 

 公演は千秋楽を迎えてしまいましたが、お客様や関わった人たちに対して、少しでもウヤムヤにさせない方法は何だろうかと考え、沙藤一樹先生に脚本を読んでいただきました。今日までコメントを出せなかったのは、結論が出てから報告したかったからです。時間がかかってしまい、ごめんなさい。

 

沙藤先生とのやり取りの結論としては、原作表記をクレジットさせていただけることになりましたことをお伝えしておきます。

 

 だからといって、何か解決したというつもりはありません。もう劇場で会えないお客様もいると思っています。この文章を読んでもらえないお客様もいると思っています。この文章を不快に思われるお客様もいると思っています。それでも、自分は、今回の件を踏まえた上で、今まで以上に責任を持って、良い演劇を作っていくことしかできません。都合良く感じさせてしまうかもしれませんが、そうするほか今は思いつきません。

 

いつかまた、劇場で会えたらと願っています。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

山崎彬

 

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07.07
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