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2014
07.16
Wednesday
「言うてる間におわります。」の巻
author : 山崎彬

(出演者の渡邊りょうくん)


小屋入り前日に、いろいろとマボロシ兄妹の文章を書かなあかんくって、その下書きにと、ブログを書きます。


マボロシ兄妹は演劇そのものの物語だったりする。

といっても、劇中劇だとか楽屋モノだとかメタ演劇だったりとか、そういうことは一切なく、演劇そのものが物語であるかのような、そんな本だ。


僕はもともと俳優しかやっていなくて、気づいたら自分が出たい舞台の本を書いて演出していたような人間で、だから役を書くときも、とってもとっても俳優としての生理を優先して書いて演出していて、だからこそまだまだど素人だ。


今回はその俳優の生理を「物語」の中で通す役を書くでなく、「役」の中で通す物語を書きたいと思って書いた。結果、書けたものは紛れもなく物語であり、紛れもなく演劇になった。ある意味で物語の中で役の生理は通っていない。だけど、役の中では生理が通っていて、それがそのまま物語となった、そんな感じ。


俳優でしかできない本。

とにかく俳優を集めなければ、こんなことできないと思った。

演劇をやってる人じゃあなく、俳優を集めなければ、そう思った。

そこで集まってくれたのが今回の出演者だ。

だれがどういいとかはない。それぞれがそれぞれできちんと俳優だった。

ただ作品だけに没入できた。ちゃんと苦しむことができた。苦しませもした。

今日は最終稽古の最終通しだった。

想像力を膨らませて、色々な道を辿って、頭も体も混乱しながら、マボロシ兄妹のための筋力をつけてゆくような稽古の日々の集大成。圧倒的に役が自分じゃあ追いきれないかもしれない生理を持っていて、そこを埋めるのは俳優の想像力だけだった。


僕らは、空振りで殴られても、痛みを本当に感じることのできるバカたちだ。

僕らは、空っぽのコップに入った酒を飲んで酔っぱらえるバカたちだ。

僕らは、この世に存在しないはずの人物を存在させられるバカたちだ。


その確かにあった「痛み」や「酒」や「人物」たちは、この世にはない。ないけれども確かにいた。あった。存在した。


では彼らはどこへ行くのか。そんな物語。


ただひたすらに圧倒的にバカやってくれた出演者のみなさんに感謝してる。

僕らのバカは、お客さんが座って観てくれて初めて存在できる。

まだわからない。どうなるのかなんて。とっても面白いですなんてわからない。

観てもらって初めて「面白い」が存在できる。

観てもらって初めて彼らが「俳優」として存在できる。

いやあ今回はスタッフのみなさんも「俳優」だった。思い出した。

良いスタッフは「俳優」なのだった。ビビッた。


観客席に座ることを許されたみなさん。

頼むから来てください。出産に立ち会ってください。

期待してる。


難しく書いてるけれど、サザエさんみたいな劇です。

永遠に年をとらず、今日も明日もいい天気。

彼らはそのことに気づかず、お日様と一緒にみんな笑ってる。

そして、サザエさんみたいに万年残るべき作品だと思います。


(出演者の大塚宣幸くん)



| これ書いた直後、就寝 | 00:19 | comments(0) | - | pookmark |
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