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2014
07.09
Wednesday
「私のお墓の前で私が泣く」の巻
author : 山崎彬
自分の寝息の大きさで目が覚めた。


目が覚めた瞬間に吐かれた寝息を聞いた。

2回聞いた。ハアーハアーと言うとった。

2回聞いて覚醒して起きとるときの呼吸に戻った。


寝とると起きとるのあいだの呼吸に「マボロシ兄妹」を感じた。


今日は朝から稽古がある。けど大丈夫だ。僕は今、うれしいから。


稽古は順調だよ。ほんとうに順調だ。

順調つうのは余裕余裕つう順調じゃない。

順調におそろしさを感じられるようになってきたという順調さだ。

この森が果てしなく険しく深い森だということを知った。
霧は濃く、足元は悪く、方向も定まらず、猛獣もいる。
顔の汚い巨人もいるし、食べたら狂う甘そうな実も見つけた。
おそろしい。おそろしいです。
このおそろしさに気づいてなかったかと思うと、さらにおそろしい。
予想はしていたけれど。
だがしかし、この森の向こうに楽園があることも知った。
そして怪我をしていないことも幸いだ。
仲間もいる。
みな、この森を共に歩けているか、そのことには注意したい。
楽園の予感を感じられているかどうかも気にしていたい。
ただ、何があろうと、この森を抜けることは宿命だし、抜けられなければのたれ死ぬしかない。


ほんとうに想像力を信じなければいけないな。
劇の中への想像力。人は何に刺激されるのかということへの想像力。
自分だけが迷惑かけてんじゃねえか、なんてナルシズムから抜け出す想像力。
他人がいないと存在できないように、自分も他人を存在させるための想像力。

自分の傷なんか見てる暇ないくらいの想像力。
役の声に、この世界への声に耳を傾けて「ちがうよ」と役に世界に言われる覚悟。

もう自分じゃ判断できない。英雄なんかいない。
俺は俺の目なんか信じられない。まったく信じられない。
信じられないからこそ、役に世界に判断してもらう。
そのために役を世界を理解しなくちゃならない。


「マボロシ兄妹」つうのはねぇ、みんな聞いてくれよ。
万年残る本になればいいと思う。死後にも上演されたい。
何百年も残っとる戯曲を書いた先輩らも、残るつもりでやってなかったと思う。
ただ無邪気に、娯楽探求の極みみたいに、魔法を作ろうとしてたはずやと思う。
俺は残っとる先輩らを見とるから不利や。どうしても色々考えちゃう。
僕、本気で万年残る本になればいいと思ってるし、そのためにもうるさい声は聞かず、役と世界の声を聞きたい。

稽古なんてものは、演出家のOKをもらう時間でないということがやはりわかった。
役の、世界の声を正確に見る聞き取る味わうための、目洗い耳掃除歯磨きでしかあらへん。

役の苦悩が果てしなく、役の底抜け具合がはんぱない。
だから「やる」ではなく「なる」しか道はない。
そういう俳優を見たことがある。あるぞ俺は。
夢はでかい。絶望がある。だからそこには希望しかない。

純演劇への道は果てしないけれど、俺らなら行ける気がする。

ご期待ください。
| これ書いた直後、就寝 | 05:17 | comments(0) | - | pookmark |
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